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2019/01/14 【部品交換】SEIKO PRESAGE SARK007
http://scientificwaches.blog.jp/archives/27817823.html

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〜誤記の指摘、アドバイスを歓迎します。コメントもお気軽にどうぞ。
〜当ブログの内容を読者の方がどう扱われても、管理人は責任を負いかねます。

【部品交換】SEIKO PRESAGE SARK007

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 はい。お久しぶりです。おそらく1年以上ぶりでしょうか。
しばらく時計から離れて無線、写真に行っておりました。私は流行りがあるので一度離れると戻るのが結構間が空いてからになってしまうのです。そういう方も多くおられると思います。
当然このページに書くネタも無く、コメントをいただいたという通知をメールで受け取った時に覗くぐらいで放置しておりました。
 そんな平和な時が流れていたのですが、ちょっとした問題が起きました。SARK007に異常な遅れ、ゼンマイ巻き切れが頻発するようになったのです。
元から日差-2s~-5sぐらいで、遅れ癖のある個体だったのですが、2018年10月ぐらい(もっと前だったかも)から急にゼンマイ巻き切れちょっと前ぐらい(残り稼働時間6時間~10時間くらい)になると2~3分遅れるようになりました。また、自動巻きで巻かれているはずなのにその効率が落ち、腕に装着して動きもあったのに時計が装着中に止まるという事例も起きたのです。

【原因を考えてみた】
 機械式時計をお持ちの方はこういった症状でピンと来るところがあると思います。SARK007が搭載している8R48Aは手巻き付き自動巻きのクロノグラフムーブです。買ってからそろそろ2年、一般にオーバーホール時期とされている頃でもあります。
 精度が落ちる原因はいろいろ考えられます。油切れ、磁気帯び、衝撃などによるヒゲの変形・・・
裏蓋スケルトンからムーブメントを見てみますと、テンプの動き、ヒゲの収縮運動には異常があるようには見えません。しかし、丸穴車が異様にすり減っているように見えました。

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↑全体的に、特に赤で囲ったところなどに丸穴車の摩耗がみられる

 マジックレバーの爪が噛みこんで、切替車の回転に合わせて引っかき、丸穴車を回転させて・・・ゼンマイを巻き上げている訳ですが、丸穴車の歯が摩耗してマジックレバーがうまくかみ合わなくなってしまい、巻き上げ効率が落ちているようです。こうなると、巻き切れ前に数分遅れるのも巻き切れで停止・再稼働を繰り返しているのではないかとも思えてきます。
 ということで、丸穴車が摩耗していることが不具合の原因であり、丸穴車を交換してやればまたまともに動いてくれるであろう、という結論に至りました。

【分解して交換】
 まともな人なら即刻セイコーに送って部品交換・修理を依頼するところですが、7Sや4Rのよくわからない部品がなぜかそこそこある私はこそこそ自分で部品交換することにいたしました。


個人で分解すると(裏蓋を開けると)保証が効かなくなります!
保証期間が切れて関係なくなっても、セイコーにオーバーホール出そうとして断られる可能性もあります。



 そうそう、忘れていましたが、あのフリーガーファイブMark.2もこっそりGMT仕様になっていました。4R37から例のGMTホゾ付き日送り車をもらってきて製作しました。


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↑ちゃっかりローターも4Rになっています。元は7Sなので手巻きがありません。

 ということで、8Rと同じく丸穴車軸を固定するブリッジがある、4Rで分解方法を試しておきます。(8Rが4Rベースなのですが)

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ネジを2つ外して

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持ち上げて外す。それだけです。外した時に何かが飛び出てきたりしたら困りますが、そういう事はないようです。これで安心して8Rの方も作業に取り掛かれるというものです。

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丸穴車を取り出しています。下に手巻き用の輪列がありますね。

次は、8Rをばらして、丸穴車を交換します。
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裏蓋にラップを掛けて、裏蓋外しで開けます。開けるときは反時計回りです。

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取れました。これでこのSARK007は暗黒の道に転落です。

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ブリッジを外しました。よく見ると、丸穴車が欠けていて、マジックレバーの爪がそこにピッタリ食い込んでいます。この状態では爪がロックされてしまい、ロクに巻き上げることができません。

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替えの丸穴車を取り付けます。マジックレバーが引っかかるので、このように片側(ローター軸側)を先に丸穴車に引っ掛け、次に反対側を引っ掛けます。

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切替車の穴にピンセットを差し込み、回転させます。これによって正常に組み立てることができているか試運転できます。正常ならマジックレバーの往復運動に伴い丸穴車が回転していることが分かるはずです。ある程度回していると香箱の板バネが跳ねるので、巻き上げられていることがよく分かります。

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↑取り外した丸穴車です。ガタガタになっていますね。


【丸穴車の歯が摩耗した原因】

 なぜこれほどまでに丸穴車が摩耗してしまったか。その理由は単純です。手巻き機能の使いすぎでしょう。
 4Rの分解写真で示した通り、手巻きの回転は丸穴車に伝わります。丸穴車(機械オモテ側の歯)を経由して角穴車に回転が伝わっていく仕組みです。それ自体は至って合理的な考えで、マジックレバーは板バネとして丸穴車を挟んで止めていますが、バネなので丸穴車にある程度以上のトルクが掛かれば回転を妨げることはなくなります。手巻きのトルクを丸穴車を通さず直接角穴車に伝えた場合も結局つられて丸穴車は回転することになるので、同じことです。

図1
↑自動巻き時のマジックレバーの動き


 しかし、マジックレバーと丸穴車は本来連動して動作するものであり、マジックレバーの丸穴車を順方向に引っ掻いて回転させる爪、逆方向から押して回す爪(機械ウラ側から見てローター軸側)はそれぞれ絶妙に丸穴車に対する負荷を緩めて動作しています。回転にかかわっている爪と反対側の爪はサメの歯状の丸穴車の歯の緩い斜面を滑るのであまり負荷になりません。また、「く」の字型になっている板バネのマジックレバーが往復運動することにより、丸穴車を両側から挟み込む力を緩めると同時に負荷になる側の爪を反対側に動かしています。これによって丸穴車がマジックレバーの負荷に打ち勝つべく回転するのではなく、マジックレバーの動きそのもので負荷に対抗している、つまり基本的には丸穴車の回転に作用するのとは反対側の爪が丸穴車の歯を滑っていく動作は丸穴車のトルクではなくマジックレバーの動きによる力により賄われています。
 それが、手巻きで丸穴車を回転させた場合はマジックレバーの両側の爪が丸穴車にとって負荷となります。この場合丸穴車のみが動くため、丸穴車の回転トルクによってマジックレバーの爪は丸穴車の歯を滑ります。負荷が100%丸穴車の歯にかかるわけです。部品を見れば分かりますが、丸穴車の微細な歯とマジックレバーの爪、どちらがより丈夫でしょうか。この丸穴車の歯をマジックレバーの爪が滑るという動作は根本的にマジックレバー側の力で賄われるべく設計されているということです。

 つまり、マジックレバー式自動巻き機構において、手巻き機能を作動させることは丸穴車の歯をひどく摩耗させるということです。
 
 7Sを長期間連続して使用していても、丸穴車の歯が摩耗していくようなことは見られませんでした。それが4R系列で手巻きをちょくちょく使用していたら(1か月に1回~3回くらいかな)これです。また、今回摘出した丸穴車の歯をよく見ると、マジックレバーの爪が当たる歯の機械ウラ側部分が摩耗しています。つまり、マジックレバーの爪によって丸穴車の歯が摩耗しているということです。この辺の状況証拠から、マジックレバー式自動巻き機構で手巻き機能を使うと丸穴車の歯がひどく摩耗するという事が考えられます。

 自動巻き時計で、手巻き機能はとても便利なものです。 週末に使用していない間に止まってしまって、月曜の朝に再び動かす際にとても重宝します。しかし、それを常用していると、または十分な巻き上げを手巻きでしようとすると、丸穴車を摩耗させていくことになってしまうということです。
 よく言われていることですし、説明書などでもメーカー側からアナウンスされていますが、自動巻きムーブメントで手巻き機能を利用するのは最低限にする方がより長持ちする、ということでしょう。


【関連記事】
➣すぐに分かる、機械式腕時計の仕組み
➣【レビュー】SEIKO PRESAGE SARK007 【動画付】

〈copyrights@sugi5cats〉

【魔改ファイブ】SEIKO5 FLIEGER Mk.2 製作

先日製作した魔改造ファイブ、フリーガー・マークⅠは文字盤のクオリティが低く、使っていても「なんか残念」なので改良版のマークⅡを作っていきます。

➢マークⅠ製作記はこちら

 今回の改善点は、
・不揃いでしかもヒョロヒョロした鼻毛目盛りを改善
・塗装ムラをなくす
・6時上スペースが寂しいのでなにか文字を入れる
です。
 文字盤のロゴや「Automatic」表記のような文字については、ロゴなしのまっさらでシンプルなのが好きな人もいたり、「6000m=19685ft」表記などがプロフェッショナル時計感を盛り上げる、といろいろと文字やロゴが入っているのが好みの人もいたりして、まぁ、人それぞれでしょうか。
 私としてはデザインのコンセプトがはっきりしていて、全体で統一されていることが重要だと思います。シンプルなデザインのインデックス、無地単色文字盤なのにごちゃごちゃ文字が入っていたり、誰も6000mも潜水しないのに文字盤には6000mでの単位換算が書いてあったりするのはどうかと思います。

 マークⅡのコンセプトも相変わらず「プロフェッショナルなファイブ、フリーガー版」ですのでマークⅠの主なデザインを継承し、バーインデックス、長めの分・秒目盛り、コテコテの夜光、IWCの雰囲気、ということで・・・
 12時下にはSEIKOロゴと5盾マーク、6時上には・・・「CAB」表記を追加。
 CABとはタクシーのことでも、IT業界の就職試験でもなく、「国土交通省航空局」です。JALとかANAとかは特定の企業なので使えませんし、なんとなく航空のプロっぽさを追求して航空局にたどり着きました。ただのアルファベットの組み合わせなので無許可でも別に問題ないでしょう・・・

〈製作〉

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今回は文字盤をPCで作っていきます。
Excelの円グラフを利用します。

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60項目の表をつくり、それをグラフ要素データとして円グラフを作成します。
グラフスペースではなく円グラフの本体を選択し、書式設定ウィンドウで全体を単色で塗りつぶし、枠線を白色に設定します。

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グラフ上に円(楕円ではなく真円)図形をのせます。
グラフのほうが上にきてしまう場合は円図形を前面に移動させます。
円図形の書式設定で大きさを指定します。ピクセルではなく㎝や㎜で設定します。

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円グラフの中心と円の中心が等しくなるようにします。
うまくやる方法が有るといいのですが、よくわからないので目測です。


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ロゴや文字をいれていきます。
ネットで探したロゴや、セイコーのYouTube動画をスクショした画像からロゴをとります。
文字はExcelの方でテキストボックスを挿入します。

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いろいろ試行錯誤できるのがデジタルの良いところですね。

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拡大縮小なしで印刷します。印刷前に図形を全てグループ化しておいたほうが勝手にずれたりしなくて良いかもしれないですね。
印刷した文字盤が乾いたら、文字盤のサイズに合わせてコンパスカッターで切り取り、インデックスやロゴを張り付けていきます。

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先日製作したマークⅠの文字盤の表面をならして、上に貼り付けます。

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デイト穴は貼り付ける前に開けておいたほうが易しいです。
ロゴの貼り付けや文字盤への貼り付けは普通のスティックのり(強力)使用。

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ムーブメントへの固定は樹脂スペーサーに接着剤を塗って、ぺたりと貼り付けます。
接着剤がカレンダーディスクに付いたりしないように気を付けます。

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針をつけて、ケーシングして完成。
途中で秒針がどっか行ったので別のやつです。
夜光がついたので暗いところでも秒針が動いてるのがわかります。

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SEIKO5 Flieger Mk.Ⅱ(国土交通省航空局仕様)です。

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秒針に夜光がついたのは結構便利ですね。

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薄暗ければ夜光が見えるくらい強く発光します。



 時分針は使いまわしで基本デザインも全く変わっていませんが、それがブランドデザインってもんでしょw
 秒針紛失というハプニングから夜光付きの秒針をもってきたのですが、思いがけず改良となりました。もともとハック機能の無い7S搭載なので、「時計が動いてることの確認用」に秒針があるのですが、暗闇でも秒針が動いてるのが見えるようになって実用性が増したのではないでしょうか。プロフェッショナルなファイブのコンセプトにも合致します。 航空局仕様となりましたが、航空局の飛行検査機のパイロットがこれを使うことは無いでしょう・・・

〈copyrights@sugi5cats〉

【魔改ファイブ】 フリーガーなファイブ自作

フリーガー・アルムバンドゥーア【dir Flieger Armbanduhr】つまり航空腕時計。男心をくすぐる渋いフリーガーな時計がIWCとかShinとかから発売されています。特にIWCは非常にかっこいいのですがいかんせん高すぎます。ETAにそんなに払えるか!と負け惜しみを吐く前に、いっそ自分で作ってしまいます(もっと負けてる)

 我らがセイコーファイブは丈夫で安価故に世界中の過酷な環境で活躍するプロフェッショナル達に愛用されています。海外限定販売の7S搭載ダイバーに代表されるプロフェッショナルなファイブ。ミリタリーデザインは有りますがフライトデザインが少ない。しかも計算尺がついたりしたゴテゴテばかりで「フリーガー」でググって出てくるような渋いマークシリーズ風は無いです。ぜひラインナップして欲しいものです。。。
 ちなみにプロフェッショナルなファイブのイメージは、
・オメガのシーマスが便器の味のマティーニを飲む女たらしの殺しのプロフェッショナルなら、セイコーダイバーは海上連絡橋建設工事で毎日潜水する潜水士
・IWCがメルセデス・ベンツ・ウニモグならファイブはイスラム国のジハード戦士とか正規イラク軍とかAU(アフリカ連合)の連合PKO部隊が乗るケツにでっかくTOYOTAとかNISSANとペイントされたピックアップトラック
です。
 そんなプロフェッショナルなファイブにふさわしい質実剛健で渋いフリーガーなファイブを作っていきます。

〈分解〉
 何はともあれ分解していきます。分解についてはファイバーな方なら皆さんご存知のファイブ実験室をご参照下さい。

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裏蓋を開けるにはスクリューバック専用の開閉器が必要です。
開閉器の爪で傷つかないようラップで保護します。
開閉器はケチらないほうが良いです。
安価なものは固定が甘かったりします。


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画像の向きで開閉します。
開閉器の爪がしっかりと噛むまで締め上げてから。


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開きました。
次はローターを外します。
外さないでそのままローター側を下にしてムーブメント台に置くと、ローター軸が歪みますので必ず外します。


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ローターのネジは中央に向かって傾斜があります。


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ドライバーを削ってネジにピッタリの形状にすると確実です。


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ムーブメントを取り出すにはオシドリの凹みをピン先で押さえてリュウズを抜きます。


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取った部品は失くさないように箱に入れておきます。


〈製作〉

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文字盤の材料は0.5mm厚のアルミ板。
コンパスカッターで円形に切り込みを入れます。


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切り込む寸法を正確にしないとベゼルの文字盤用溝まではまりません。
上図だと文字盤が大きすぎです。
下図の様にリュウズチューブが全部見えるのが正解です。

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分度器を使って目盛りを入れます。
紙に予め分度器を使って線を書いておいて、定規とカッターで目盛りを彫ります。


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カレンダー穴を開けます。
ケガキをしてから中央部にいくつか穴を開けて、鋼鉄製精密ドライバーをノミにして穴を開けます。
アルミは柔らかいのでノミを手で押し込むだけで切れます。
ノミの尻をハンマーで叩いたりしなくてもいいです。
気をつけないとカレンダー穴の周りも陥没しますので慎重に。。。


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仕上げはヤスリで。
直線になるように調整します。


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円形の切込みの周りをペンチで全周をグイグイやるときれいに取れます。
目盛り入れ、カレンダー穴加工まで切り取らない方が楽に保持できて作業がし易いです。


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取れました。
目盛りの溝を均一に、深くなるように、カッターで数回彫ります。


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針は今回はアルミ缶から切り出しました。
針の穴はムーブメントのツツカナと現物合わせで慎重に広げていきます。


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文字盤の表面を均一に磨いてからスプレーで塗装。
アルコールやシンナーでの脱脂も忘れずに。
塗装前の磨きで塗装の出来が変わります。
大きめのヤスリ傷とかが元になってダマになります。


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目盛りの墨入れはチョークでw
溝が埋まったら指でw拭き取ります。


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意外とキレイにできます。


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インデックスの夜光テープを貼っていきます。
夜光テープはホームセンターなどで買えます。
「蛍光」は光りません。「夜光」を買います。
夜光(蓄光)塗料よりもテープはお手軽です。
サーフェイサー(白色の下地塗料)も不要なので。


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インデックスや針は太すぎるとみっともない(よね?)ので細くします。


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針をつけます。
水平に、互いに干渉しないように気をつけます。
時分針の夜光テープはそのままだと厚過ぎるので表面をよく研いだカッターでそぎ取って薄くしてあります。
それでも秒針は干渉したので、分針の夜光テープに当たらないよう手で曲げました。
カナの長い4番車があればいいのですがそうはいきませんので。
手曲げ針は高級針ですよw


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ケーシングして完成。


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ルミノーバの夜光テープなので明るいです。


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元のファイブの文字盤からロゴのパーツを移植しています。


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セイコーファイブ・フリーガー・マークⅠ(SEIKO5 FLIEGER MARKⅠ)、完成です。


 アラビア数字だったら完全にマークシリーズですが、私には文字盤にプリントする技術がないのでバーインデックスです。セイコーらしくて良いんじゃないでしょうか。12時位置の三角がミリタリー&フリーガーテイストを表しています。
 文字盤の塗装ムラや目盛りのクオリティに不満が残っているのでいずれマークⅡを作るかも知れません。

➢マークⅡ製作記はこちら

〈copyrights@sugi5cats〉

すぐに分かる、機械式腕時計の仕組み・機構編

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写真はルビーの結晶。ルビーはコランダム(酸化アルミニウムAl₂O₃)のうち不純物としてクロム(Cr)を含むもの。コランダムはモース硬度9と、ダイアモンドの次に硬い。酸化アルミニウム製のサファイアガラスは腕時計の風防にも使われる。
ルビーはその硬さと低摩擦から機械式腕時計のムーブメントでよく使われる。「〜JEWELS」「〜石」とはムーブメントに使われるルビーの数を示している。
写真のルビーも管理人のコレクション。余談だがルビーには蛍光があり、ブラックライトを当てると赤く光る。サファイアは光らない。


○目次○
1 中心理論・セントラルドグマ
2 輪列機構
3 調速機構
4 巻き上げ機構
5 機械式時計の小宇宙(まとめ)



1 中心理論・セントラルドグマ

機械式時計はゼンマイが解ける力によって作動します。

この力によって歯車が回り、針が回ります。

秒針が1分で1周する速さで歯車が回転するよう、調速機構で調整します。

※調速機構(テンプとアンクル、ガンギ車)
テンプのヒゲゼンマイが規則的に伸び縮みする事を利用する。アンクルとガンギ車でテンプの往復運動を回転運動に変換する。

秒針が60回転したら分針が1回転、分針が12回転したら時針が1回転するように歯車が組み合わされています。

2 輪列機構

 ここではムーブメントの歯車がどの様な仕組みになっているかを見ていきます。複数の歯車の集まりを輪列と言います。

 歯車の原則を確認します。
 歯車の役割は、
・回転を伝えること
・回転の速さを変えること

 です。
 回転を伝えること、というのは分かりやすいでしょうか。歯が噛み合うことで隣同士の歯車に力を加えるため、回転が伝わります。
 回転の速さを変える、というのは歯車の1周あたりの歯の数を隣同士で変えることで可能となります。

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 歯の数が少ない歯車aが1回転しても、歯車aと接続する、歯の数が多い歯車bは1回転しません。例えば歯車aの歯の数が10、歯車bの歯の数が40だったら(a:b=1:4)歯車aが1回転したら歯車bは4分の1回転します。これで回転速度を減速する事ができます。
 これに対して歯車bが1回転すると歯車aは4回転します。これで回転速度を加速する事ができます。
 この事を利用して、秒針が60回転したら分針が1回転、分針が12回転したら時針が1回転するようにする事ができます。
 しかし、単純に歯車を組み合わせると、秒針の歯車cと分針の歯車dと時針の歯車eの歯の数の比はc:d:e=1:60:720となります。より確実に、滑らかに力を伝達する為には歯車の歯の数を多くする事が必要なため、歯車cの歯の数が10の場合、dは600、eは7200となり、小さな歯車にそれだけの数の歯を作ることは大変難しいため実現できません。
 そこで、歯車の軸にもう一つ歯の数が異なる歯車をつけます。(下図)

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この様な歯車を使えば現実的な歯の数になります。


 そして時計の輪列を組み立てると下図のようになります。秒針は4番車の軸に取り付けられ、分針は2番車、時針は1番車の回転で動作します。
4番→2番の減速比は1:(60分の1)と大きいため、3番車を挟んで段階的に減速します。

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 しかし、上の図の様に1番車、2番車、4番車の軸は離れており、それぞれの軸に針を取り付けると非常に見にくい時計になりますね。そこで下図の様に筒車、筒カナ車を使えば同軸に秒針、分針、時針を取り付ける事ができます。
 ※「カナ」とは歯車の軸のこと。

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3 調速機構

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調速機構を構成するテンプ・アンクル・ガンギ車の各部の名称


 渦巻き状のヒゲゼンマイが広がったり、閉じたりすることでテンプは往復運動をします。テンプの往復運動をアンクルとガンギ車で回転運動に変換します。
 機械式ムーブメントの「振動数」はテンプの振動数を意味します。振動数が6/秒(21600bph)の場合テンプは1秒で6回振動し、秒針は6分の1目盛りずつ動きます。クオーツ式の記事〈➣リンク〉でも述べたように、理論的には高振動数のものほど精度が安定します。実際には色んな要因がありますので一概には言えません。詳しくは理論編〈➣リンク〉を御一読下さい・・・
 
 テンプとアンクル、ガンギ車の動きは下図の様になっています。

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簡略図なので部品の形は実際のものとは少し違います。


 ヒゲゼンマイを張る力を調整することでヒゲゼンマイの伸縮運動を調整することができます。ヒゲ持ちとタイコ持ちの間隔を緩急針を動かす事で調整します。

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+の方に緩急針を動かすと時計は進みがちに、-の方に動かすと遅れがちになります。



4 巻き上げ機構

 機械式ムーブメントの動力源となるゼンマイは香箱車に収められており、香箱車の軸と共に回転する角穴車が丸穴車の回転によって回転するとゼンマイが巻き上げられます。
 丸穴車の役割は巻き上げの動力の強い力を弱め(減速させて)、機械に負荷をかけないようにする事です。
 この巻き上げの方法は
・手巻き
・自動巻き
の2通りがあります。
 手巻きの場合、リュウズを回すことでゼンマイを巻き上げます。リュウズと共にツツミ車が回転し、ツツミ車が丸穴車を回転させます。
 自動巻きの場合、時計の姿勢の変化に伴って回転する重り(ローター)が回転することで丸穴車を回転させます。
 時計を腕に着けて生活していれば、腕の動きに伴ってローターが回るので、「自動で」巻き上がるというわけです。
 しかし、ゼンマイを巻き上げる回転方向は片方のみなので、順方向にローターが回転すれば良いのですが、逆方向に回転すれば無駄になってしまいます。そのままだと効率が悪いのでローターがどちらに回転してもゼンマイを巻き上げられるようにするとより実用的になります。
 代表的な自動巻き機構は両方向巻き上げになっています。代表的な2つの自動巻き機構の仕組みを見ていきましょう。

○切替え車(リバーサー)方式の仕組み○

reverser1


 リバーサー方式は片方向のみに回転する歯車、切り替え車(リバーサー)を2つ使ってローターの回転を1方向に変換します。
 この方式の利点は、簡潔な機構で効率よく巻き上げる事ができる点です。現在の自動巻きムーブメントの多くにリバーサー方式が採用されています。ロレックス、ETA、グランドセイコーの現行9Sなどが採用しています。

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切替車の構造。
サメの歯状の軸歯車と内部に爪の付いた外周部分からなる。


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reverser left
この様にローターがどちらに回転しても丸穴伝達車は決まった方向に回る。


○マジックレバー方式の仕組み○

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 マジックレバーはセイコーの特許で、独自の機構です。古くは同様の方式がスイス製のムーブメントにもある程度見られましたが、今では皆リバーサー方式です。
 マジックレバーが往復運動をして、サメの歯状の丸穴車をマジックレバーの爪が引っ掻き、回転させてゼンマイを巻き上げます。ローターがどちらに回転しても、マジックレバーの往復運動に変換されるため両方向巻き上げができます。
 この方式の利点は動作の確実性です。マジックレバーががっしりと丸穴車を掴むので、確実に巻き上げできます。切替車方式の場合、高速に回転すると切替車が空転してしまうこともあるため、マジックレバー方式の方が確実です。
 セイコーの伝統で、昔からずっと採用されています。ただし現行の9Sはリバーサー方式に変更しています。(9S85、9S65など)

図1
この様になっています。《2019/01/14図を差し替え》


5 機械式時計の小宇宙

Mechanical structure 3d1
一般的な自動巻きムーブメントの構造図


 上図のように、機械式ムーブメントは多次元を表現するような構造になっています。昔のエチオピア人が考えた宇宙のように階層に分かれているようです。
 小さな部品達が集まって正確に時を刻む姿は確かに神秘的で、機械式時計はよく小宇宙に例えられます。

 下図は各部の名称のまとめです。

Mechanical structure 2


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 補足的に、
・筒車の回転とリンクし、筒車2回転で1回転するカレンダー送りの爪がカレンダーディスクを1日分動かします。
・リュウズと共に回転するツツミ車が手巻き機構、カレンダー早送り、時分針送りを動かします。

 機械式ムーブメントの製造、分解、組み立ては高い技術を必要とします。正確に時を刻む為にはあらゆる部品が正確に作られ、組み立てられなければなりません。しかし、部品はとても小さく精密なため、少しの誤差が大きな機能支障を引き起こします。製造の機械化、自動化で精度を上げることもできますが、やはり機械をも凌ぐ職人の手で調整され、組み立てられなければならないのです。
 製造や整備に携わった多くの職人や、技術に思いを馳せる、ということができるのが機械式時計の最大の魅力ではないでしょうか。

【関連記事】
➣機械式腕時計の仕組み・理論編 ※旧記事
➣すぐに分かる、クオーツ式時計の仕組み
➣腕時計の磁気帯びとは【大図解】
改訂版アップ:2017/03/04
〈copyrights@sugi5cats〉

機械式腕時計の仕組み・理論編(旧記事)

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写真はルビーの結晶。ルビーはコランダム(酸化アルミニウムAl₂O₃)のうち不純物としてクロム(Cr)を含むもの。コランダムはモース硬度9と、ダイアモンドの次に硬い。酸化アルミニウム製のサファイアガラスは腕時計の風防にも使われる。
ルビーはその硬さと低摩擦から機械式腕時計のムーブメントでよく使われる。「〜JEWELS」「〜石」とはムーブメントに使われるルビーの数を示している。
写真のルビーも管理人のコレクション。余談だがルビーには蛍光があり、ブラックライトを当てると赤く光る。サファイアは光らない。

※この記事は「すぐに分かる、機械式腕時計の仕組み」旧記事移植版です。現行の改訂版記事はこちら↓
➣すぐに分かる、機械式腕時計の仕組み・機構編


【機械式腕時計の仕組み・調速機構とは】
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 例によって手書きのイラストですが、上の図が機械式ムーブメントの基本的な構造です。
 香箱車には丸く巻かれた金属板、つまりゼンマイが収められています。リュウズ(手巻き)、回転オモリ(自動巻き)の動作によって香箱車が回転、ゼンマイが巻き上げられます。巻き上げられたゼンマイが解ける力で香箱車が回り、ムーブメントの輪列(歯車達)に回転(トルク)を与えます。これによって機械式ムーブメントは作動します。

 しかし、それだけでは時計になりません。これだけではただのチョロQです。そこで、輪列の終端部に「調速機構」を設けています。
 回転する秒針の歯車にガンギ車を組み合わせ、ガンギ車の歯に噛み合うアンクルがブレーキをかけます。アンクルはガンギ車からもらったトルクで動き、テンプのヒゲゼンマイを伸縮させます。トルクのかかったガンギ車の歯からアンクルの爪が外れてガンギ車が少し回り、ガンギ車の次の歯がヒゲゼンマイの反発で戻されたアンクルに噛み合います。これの繰り返しです。
 そのままではトルクが強すぎ、秒針の回転が猛烈に速くなる(チョロQ状態)ので、ヒゲゼンマイの反発力によってトルクを打ち消しているのです。物理ですねぇ。理系ならたまらないです。
 そしてヒゲゼンマイの伸縮が規則的に行われることで規則的なアンクルの動きとなり、規則的にガンギ車が回り、秒針が規則的に動く、という訳です。アンクルとテンプの動きを下の図で示します。

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 調速機構はこの様な動きをしています。上の図は相当簡略化していますので、実際の部品の形とはちょっと違います。

 こう文字で列挙しても分かりにくいだけですので簡単に言うと、
香箱車のゼンマイが解ける力そのままの回転では回転が速すぎるので、規則的に伸縮するヒゲゼンマイの反発力でブレーキをかけている、
ということです。
 ブレーキが正確に働くことで歯車の回転も正確になり、精度のある時計として機能します。文字では分かりにくいのですが、実際にテンプの動きを見るとすぐに分かります。

 ちなみに上の図のピンク色の部分(アンクル爪石やアンクル振石など)やテンプの軸受け、各歯車の軸受けには耐久性や摩擦減少の目的でルビーが使われています。「使用石数が多いと精度が良くなる」と言うこともありますが、ルビーを多く使うことで輪列やテンプの物理的な抵抗が小さくなるからです。最近はダイアモンドコーティングしたプラスチック製の歯車を使用したり、ルビーの代わりにセラミックスを使うことも見られます。

 抵抗というものは「誤差」です。ムーブメントの設計では、抵抗を無視、またはある一定の抵抗の時に正確に作動するように想定します。抵抗がコロコロ変わる事ひとつひとつを全て考慮することは不可能です。設計やプログラムというものはある一定の条件を策定し、その下で目的を達成する最善の手段を決めることです。大本の条件が設計の内容を完全に決定します。手段の模索は理性によって論理的に行われるからです。時計で言えば、抵抗の変化を完全に知ることはできないので、だいたいの抵抗を条件としておきます。その下で作られた設計はその条件下では完全な精度をもつはずです。しかし、実際には抵抗は変化します。変化が大きければ精度への影響も大きくなる。だから抵抗そのものが極力小さくなるようにルビー軸受けや特殊な歯車を使うのです。
 最近は数学や物理学を活かして、設計で仮定する抵抗値を場合によって変化させる数式(関数)で表したりすることでも精度を上げているでしょう。そうでなければ基本的な機構が確立されているのにより精度の高い新型ムーブメントが出るわけがありません。
 そしてゼンマイの材料の研究、テンプ周りの機構のさらなる合理化といった発展にもつながるのです。

 しかし、どんな高度で緻密なシュミレーションのもとで作られた設計も、結局は机上論です。どんなに優れたメカでも、実際に製品にできなければそれはメカですらありません。設計の高度化に伴い時計職人への要求はより厳しいものになりました。機械式時計はそれを実現する職人の高い技量によって作られている事は数百年前から現在に至るまで変わりありません。それに職人からの設計者へのフィードバックやアドバイスも必要不可欠です。

【精度の要・テンプ】
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 図は精度の要となるテンプの各部です。テンプはヒゲゼンマイとそれを固定し振動するテンワ、天真という軸、でできています。 ヒゲゼンマイの伸縮、つまりテンプの振動が精度に直結します。テンプの振動数は一般的に1秒に6〜10振動です。クオーツ式の記事〈➣リンク〉でも述べたように振動数が大きい方が精度が良くなります。
 テンプの振動が正確であることで機械式ムーブメントは精度のある時計となります。その為これらの部品の製造や調整には高い精度が求められます。テンワは重心が偏らないように、ヒゲゼンマイの間隔は等間隔になるようにしなければならないのです。ヒゲゼンマイの調整は機械式の組み立てで最も難しい工程のひとつとも言われています。
 天真はとても細い軸で、曲がりはもとより非常に折れやすいので、それを受ける軸受けはルビーを組み合わせ、金属板のバネを使った耐震スプリング構造となっています。テンプを固定するブリッジ側にはヒゲゼンマイを固定するヒゲ持ちレバーを動かし、ヒゲゼンマイの伸縮を調節する緩急装置があります。緩急装置を動かして精度の微調整を行ないます。
 
 姿勢によって精度が変化しないようにテンプやガンギ車などの調速機構一式をずっと回転させるトゥールビヨンという仕組みもあります。これは非常な高級品で、一部のスイス製のみで見られましたが、香港で量産されたり、最近は日本でもセイコークレドールが初のトゥールビヨンを発売しました。しかし、精度向上の役に立っているとは私は思いません。あくまで複雑機構を楽しむためのものでしょう。


【自動巻きと手巻き】
 ゼンマイの巻き上げ方式には自動巻きと手巻きがあります。
 自動巻きは回転するオモリが腕の動きによって勝手に回り、ゼンマイを巻き上げます。手巻きはリュウズを回すことでゼンマイを巻き上げます。
 自動巻きは便利ですが、手巻きにもムーブメントを薄型化できる、精度が良くなる等々のメリットがあります。

【機械式ムーブメントの魅力】

IMG_1462


 写真は私の愛用するセイコー5の裏側ですが、ムーブメントが見えるようにスケルトン裏蓋になっています。某国で偽物が出回ったためにムーブメントが見えるようになったということですが、やはりテンプの動きを見ていると感動しますね。ちょっと感謝です。
 小さなケースに収められた精密な機械。厚さ0.02mmのヒゲゼンマイを調節する時計職人の技に思いを馳せる等々、精度ではクオーツには及びもつかないものの機械式には機械式の良さがあります。
 姿勢差と言って、ムーブメントの向きで歯車の噛み具合やテンプの重心の偏りが生じ、微妙な精度の差がでます。これは機械式の特徴で、めんどくさいことではありますが、こういったところにかわいさがある、と思うかも知れません。
 機械式はゼンマイを巻き上げれば動きます。電池切れの心配はありません。そこには信頼性があります。クオーツよりも壊れやすいですが。
 精度も高級品のスイス製はクロノメーター規格、日本のセイコーのグランドセイコーはGS規格と、厳しい規格によって高い精度を持っているものもあります。私のセイコー5は静置でもクロノメーター級、携帯精度ならGSにも匹敵します。使ってみると機械式の精度もなかなかです。
 なお、熱膨張の関係で、温度が上がると時計は遅れ気味、下がると進み気味になります。

 この様に機械式時計には科学がいっぱいに詰まっています。哲学的でもあります。製造過程から地理や現代社会の勉強もできます。しかし何よりも職人の手になる製品としての暖かさを感じるところに機械式の魅力があるのではないでしょうか。

 ※セイコー5のムーブ、7S26は製造が一貫して機械による自動生産です。最後の調整には人の手が入りますが。ETAにも同じことが言えます。人の手になる機械式という魅力は今では一部の高級品にしかありません。「設計するのは人間だ」と言うこともできますが、いずれ設計も機械がやってくれるでしょう。AIは人間の理性の機械化、設計は理性の産物です。
 時代の変化と共に機械式時計も変化しているのです。それが良いか悪いかは別としても。メカ時計は決して時代遅れの代物ではありません。

【関連記事】
➣すぐに分かる、機械式腕時計の仕組み・機構編※新記事改訂版
➣すぐに分かる、クオーツ式時計の仕組み
➣腕時計の磁気帯びとは【大図解】

一部改訂:2017/02/04
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